今年はリンゴとカラメルの組み合わせで何点もケーキを試作した。
それも様々な種類のリンゴを様々な大きさに切って、
調理時間もそれぞれ違うと言う懲りよう。
そうやっていてあることに気が付いた。
出来上がってすぐのカラメルは見事な赤い色をしているのに、
しばらく時間を置くとくすんだような色に変わってしまうことがあるのだ。
これはいったい何が原因なのか?
あれこれ考えた末に、
掲示板に何度か書き込みをしてくれたジルさんに聞いて見ることにした。
彼の話では、カラメルの色が変化することは無いのだそうだ。
変色の原因はリンゴであるだろうとのことだった。
確かにリンゴのカットが大きいほど、調理時間が短いほど強く変色しているようだ。
リンゴには酸化酵素が含まれており、
これが空気中の酸素と果肉中のポリフェノールの結びつきを促し、
褐色の”キノン”という物質を作り出す。
この酵素の働きを止めるために酸化防止剤としてビタミンCを加えたり、
酸素と触れることを防ぐために塩水に漬けたりする。
調理時間が短いと、この酵素が完全に破壊されないため、
焼き上がりには奇麗だった色も次第にくすんでしまうと言うわけだ。
また、最近のリンゴは調理に時間がかかるものが多く、
昔のタイプの紅玉などに比べると倍以上の時間を必要とするそうだ。
しかし変色を防ぐために添加物を加えることは素人のポリシーが許さないし、
長時間加熱して歯ごたえが無くなってしまうのもちと困る。
そんなわけで”リンゴの逆さまケーキ”では薄くカットすることで対処して見た。
どうやらこれで変色は抑えられているようだ。
たかがリンゴ、されどリンゴ。
美味しいリンゴのケーキを作るためには化学の知識が必要のようである。
お菓子作りはまさに化学実験と言えるかもしれない。 |