| 近ごろカラメルが流行のようだ。
単に砂糖を焦がしただけの代物なのに、カラメルには独特の香ばしさがあり、
ケーキのアクセントとしても使い勝手がいい。
カラメルは西洋のみならず日本でもベッコウ飴として昔から賞味されてきた。
ベッコウ飴にしろカラメルにしろ、どうしてあの風味が出るのだろうか?
カラメルの素材となるのは砂糖、
その中でも重要な働きをしているのはショ糖である。
このショ糖が熱による加水分解でブドウ糖と果糖に変化する。
ブドウ糖や果糖はショ糖に比べて甘みが強く、褐変しやすい。
これがカラメルの色と甘みの質を決める。
水が完全になくなった後はショ糖そのものが熱分解され
各種アルデヒドやカルボン酸、有機酸類が生成されて香りと風味をもたらす。
知っての通りアルデヒドはアルコールの分解によっても生成され、
二日酔いの原因ともなる物質である。
焦げ過ぎたカラメルが悪臭を放つのもこれらが原因である。
以前カラメリゼについて取り上げたことがあったが、
その一節で”上白糖はカラメリゼしやすい”と延べた。
これは上白糖に含まれる転化糖の影響なのだが、
これを今回調べた結果にあてはめれば、
最初から色の付きやすいブドウ糖と果糖を含む上白糖では
できあがったカラメルには色と甘さはあるものの、
香りと風味が少ないと言えることがわかる。
市販のレシピで作るカラメルが色の割に苦いのもこのせいなのかもしれない。
どうやら苦みの少ないカラメルを作るには上白糖を使った方が良さそうだ。
今までこうして”カラメル”と書き続けてきたが、
原語に忠実に発音するなら”キャラメル”と言うべきだろうか。
でも日本人にとってキャラメルと言えばあの菓子を意味する。
日本に最初にキャラメルを持ち込んだ森永の創業者が悪いのか、
はたまたキャラメルを最初に作ったアメリカ人が悪いのか。
紛らわしいのはいったい誰のせい? |