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ミンスミートに見る英国の多重性
ミンス・ミート
”ミンスミート”は本来”刻んだ肉”を意味している。

日本で売られているメンチカツも
元は”ミンスミートカツレツ”として売り出されていたものだ。

今ではドライフルーツを漬け込んだものをミンスミートと呼ぶのが主流だろう。
この違いはどこから来たのだろうか。

この謎を解き明かすにはイギリスの持つ多重性を理解しなければならない。


イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの各国が
合わさって成立した連合王国である。

歴史に登場する最初のイギリス住民はケルト人で、
この民族が1世紀初等にローマの侵略を受ける。

続いてローマの衰退と平行して起こったゲルマン民族の移動により、
ゲルマンの部族アングルとサクスがイングランドに侵入、
ケルト人たちをウェールズ、スコットランド、アイルランドに追いやって、
自分たちの国家を作り上げる。

さらにデンマーク・ノルマン・フランクの各王朝支配ののち、
今ではドイツ系の王朝が君臨している。

イギリスの歴史は他民族による侵略の歴史であるとも言える。


プディングのルーツは古代ローマのソーセージに似た腸詰めだったそうだ。
畜肉と穀類で作られたこの料理はローマ軍の侵攻と共にイギリスへと渡り、
そこで開花した。

華やかな貴族たちの食卓は肉をドライフルーツで味つけした豪華なプディングが彩るが、
支配される側の庶民たちにとっては
廉価な獣脂と穀類、それにナッツを使ったプディングが精一杯だったのだろう。

肉を使わずとも”ミート”と呼んだのは庶民のささやかな抵抗だったか。

時と共に甘く味つけした料理は廃れ、
あとには甘いデザートとしてのプディングが残った。

そして今ではミンスミートと言えばドライフルーツが主となったのだろう。


余談だが、ミンスミートパイはキリストの揺りかごをかたどっているのだそうだ。

どこかで聞いたような話ですな。(^^;

 

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2000/10/14 update