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君の名は
洋ナシのスポンジプディング
今回同時にアップした洋ナシのタルトでは散々産みの苦しみを味わった。
何をそんなに苦労したのかって?
名前が決まるまでが大変だったのだ。(笑い事ではない

タルトと言えばクッキーに似た台にフルーツを乗せたものと言う印象があるが、
本来は浅い皿状の器を指した言葉だった。
同じものをイギリスでは”フラン”、フランスでは”タルト”と呼ぶ。

これは素材が何であっても同じこと、
クッキーだろうがパイだろうが、果ては陶器だろうが構わない。
そしてこのタルト(フラン)を焼くための金属の型が
タルト型”と呼ばれる我々が使う型である。

このタルトにかき混ぜて作った(バッター)生地を、
フルーツと共に流して焼き上げたものは”バッタープディング”と呼ばれている。
中でもサクランボを焼き込んだものが
フランス中央の郷土菓子として名高い”クラフティ”だ。


実はこの”プディング”がまた食わせ者で
ここではとても語りきれないほどの長い歴史がある。*注

古代、イギリスでは詰め物料理全てが”プディング”と呼ばれていたらしい。
当時の富裕階級であるローマ人たちは
肉をふんだんに使ったプディングを食べ、
庶民は安いラードと穀類でこれを真似した。

どちらも味つけは甘いドライフルーツを使っていたのだが、
甘い料理がすたれ、穀類のプディングが現在にまで伝わったようだ。

そして中世になり、プディングの形だけを真似た冷たいデザートが登場し、
最後に卵黄を使ったカスタードプディングが登場する。

当然クラフティもカスタードプディングの一種。
広義、狭義の差こそあれど、
タルトとフランの違いと同様に英語とフランス語の違いだけなのだろう。


これでぴったりの名前が付けられるはずだったのだが、
結局ケーキには無難でなんでもありの”プディング”の名を冠した。

物事は杓子定規ではつまらないし、
あいまいにしておいた方が我が身のためである。(ぉぃ
 

『人間には知ってはいけないことがある』とは誰のセリフだったかな?(^^;


 
*注 このあたりの話はCAKEing Vol.5に詳しい。一読をお薦めする。

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2000/09/30 update