鶏卵の栄養価のほとんどは卵黄に集中している。
卵黄に比べたら卵白はほとんど水のようなものだ。
栄養価の点だけではなく、卵黄に含まれているレシチンには界面活性剤としての効果もあり、
材料を均一に混ぜるためには欠かせない素材になっている。
これだけあれば卵黄のみを使うお菓子の素材が多くて当然。
クッキー、タルト台、カスタードクリームetc.etc...
また、マドレーヌには卵黄を多目にしたレシピも存在している。
こうして卵黄の多いケーキばかり作っていれば、
当然のことながら卵白が残る事になる。
ダイエットケーキやシフォンケーキなどには卵白を多目に使うものの、
一般的なお菓子のレシピでは卵白が余りがちである。
余った卵白は冷凍保存できるのだが、
使わない限りいずれはゴミ箱行きと言うことになってしまう。
家庭でさえこうなのだから、ケーキ屋の苦労はまたひとしおであろう。
ところで洋菓子店には必ずと言っていいほど置いてある焼き菓子に
”フィナンシェ”がある。
この”大富豪”の名を冠し、金の延べ棒を模した焼き菓子こそ、
余った卵白を処理するために考え出されたレシピなのではないだろうか?
これはマドレーヌとほとんど同じレシピで、
全卵ではなく卵白のみ、小麦粉の代わりにアーモンド粉を、
そしてバターは焦がして風味を付けて使う。
そうすることで卵白のみでは足りなくなった”コク”を補い。
ケチくささを名前と形で補って(笑)卵白を処理しているのだと思われる。
ラングドシャもやはり同じようなものであろう。
実にうまいことを考えたものだ。
また、イタリアンメレンゲにクリーム状のバターを加えて泡立てて作った
バタークリームは予想以上に美味しいものだ。
もともとは不要品の有効利用から考え出されたであろうお菓子たち。
しかしここまで洗練されれば立派に商品として通用する。
先人達の努力に敬意を表しつつも、
冷凍室の卵白が気になる今日この頃である。(笑) |