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Aqua-Vitae(命の水)
葡萄女
Illustrated by FaoMao
=>NaturalHistorica
ヨーロッパにおいては、蒸留酒を”命の水”と古より呼び慣わしてきた。

このページのタイトルでもあり、商品名にもなったラテン語の”アクアヴィテ”
ウイスキーの語源となったゲール語の”ウィスケボー”
”魂”をも意味する英語の”スピリッツ”

そして”ブランデー”

このブランデーはワインを蒸留して作られる。



降雨量が少なく、生水が飲料に適さないヨーロッパでは、
そのままでは飲めない水を飲むために工夫を凝らして来た。
そのひとつがブドウから作られるワインである。

彼らはよりワインに合う品種を目指して改良を進めた。
それでも毎年良いブドウができるはずもなく、
時には糖分の少ないブドウしか収穫できない年もある。
そんな年には当然のことながら満足なワインができるはずもない。

そんな時、同じ頃に錬金術師たちによって発明された蒸留器に、
このでき損ないのワインをかけた人がいた。
そうしてブランデーは生まれた。

彼らは新大陸へもブドウを持ち込む。
ブドウの天敵の寄生虫がいないこの地では、さらに良きワインが生まれた。

蒸留酒ではなく、キリストの血とも称されるワインこそが
命の水”と呼ぶにふさわしいのだろう。



ひるがえって我が日本。

6〜7世紀頃、シルクロードと中国を経由して日本に渡ってきたブドウであるが、
そのままで飲める水が豊富にあり、
ブドウには適さない気候のこの地では、ワインが普及する要素もなく、
結局ブドウはそのまま食べるものとして定着してしまった。

日本ではブドウが”命の水”とはなり得なかったわけだ。

そして、日本古来の甲州種や
マスクメロンと共にジャコウ(Musk)の名を冠し、
果物の女王とも呼ばれるマスカットなどをベースに
食用品種としての様々な品種改良が行われた。

種のないもの、皮のまま食べられるもの、粒の大きいもの・・・。
まさしく百花繚乱である。



これだけ改良されてきたブドウだが、
加工されたワインやレーズンならともかく、
生のままお菓子に仕立てる難しさは梨と一二を競う。

願わくば、
種がなくて皮のまま食べられて粒が大きなブドウが生まれますように。


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1999/10/02 update