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スポンジのふわふわ
スポンジ
私が初めて焼いたスポンジはお世辞にもふわふわとは言い難いものだった。

それから早数年、私も泡立ての見極めができるようになってなんとか納得の行くレベルのスポンジが焼けるようになった。
そしてさらにふわふわのスポンジ目指してスキムミルクなどを加えて悦に入っていたものだ。

そんな時、ある方から軽いスポンジを焼く方法として、シフォンケーキのように水を加えるアイデアを教えていただいた。

なるほど、確かにシフォン生地を大きく持ち上げるのは生地に含まれている水だ。
スポンジ生地にうまく水を加えられれば確かに大きく膨らむに違いない。

そう考えてさっそく実行に移すことにした。


まずは加えるタイミング。

シフォンケーキのように卵黄に水、油、小麦粉を加えたらそれこそシフォンケーキになってしまう。
しかし、バターのように最後に加えるのでは分離が気になる。

そんな時、以前はちみつでメレンゲを作ったことを思い出した。
はちみつには2割程度の水が含まれているが、それでもメレンゲを作ることができる。
つまり、卵黄1個あたり10cc程度の水ならば加えることができるはずだ。
当然多少肌理が粗くなるだろうから、それを予防する意味でも別立てで、さらに安全のために砂糖を卵黄生地には加えず全て卵白に加える。

そうして作った生地は通常よりはるかに高く持ち上がった。

調子に乗って普通ならしぼみやすいココア生地、しかもバターと一緒にチョコレートを混ぜてロールケーキ用のシートも試してみる。
こちらも見事に膨らんだ。
これはとんでもない拾い物をしたかもしれない・・・。


落とし穴は意外なところにあるものだ。

ショートケーキに仕上げるためにいつものようにカット、そしてデコレーション。
気のせいかいつもよりべたつく。
完成したケーキは上と下で食感が大きく異なっていた。
どうやら自分の重みで下の部分がつぶれてしまったらしい。

なるほど、確かにシフォンケーキは大きく膨らむがしぼみやすい。
同様の作り方をしたスポンジが大きく膨らんでもしぼみやすいのは当たり前である。

そして加えた水分はそのまま生地の中に留まっているようだ。
べたつくのはこれが原因に間違いない。
しっとりふわふわなのは確かであるが、べたべたの上に上下で食感が違っているのでは完全な成功とは言えないだろう。


蛇足であるが、シートのチョコレートスポンジは大きくしぼみはしなかった。
乾燥しがちなシートスポンジが実にしっとりふわふわに焼き上がっている。

どうやら半分成功で半分失敗、条件によって使い分けの必要な方法と言えるだろうか。
 

しっとりふわふわなスポンジへの道は果てしなく険しいようである。


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2001/12/22 update