| 最近、近所の良く使うスーパーが私の愛用する某社の47%生クリームを置かなくなった。
まさか狂牛病とは無関係なのだろうが、深夜営業のため、夜中に材料が足りなくなることのある私にとって便利に使えた場所であっただけに非常に残念なことである。
やむを得ず近くの同じく深夜まで営業しているスーパーで別のメーカーの全乳脂タイプを購入したが、乳脂肪分が40%と低いためにどうもうまく行かない。
出来上がったホイップクリームはやけに味気ないものだった。
生クリーム単体の美味しさはほとんど乳脂肪分によって決まる。
日本で一般的に市販されているものには35%から47%あり、高いものほどコクがある。
しかし高脂肪のものほど泡立ちやすく分離しやすいため、高脂肪のものを常温で泡立てたり、ナッペするのに手間取ったりするとすぐにぼそぼそになってしまって見た目も味もよろしくない。
かと言って低脂肪のものは保形力に問題があり、形を保たせるためにゼラチンを加えたりすれば口解けが悪くなってやはりよろしくない。
味を決める要素は他にもある。
特に口解けを左右するのが添加物の量。
生クリームに添加されることが多いのは安定剤や乳化剤で、前出のゼラチンもこれに相当する。
当然口解けは悪くなるが、保形力は上がり分離もしにくくなって非常に扱いやすくなる。
ところで一般に”生クリーム”として市販されているものには大きく分けて三種類あることをご存じだろうか?
ひとつは牛乳を遠心分離機にかけた上澄みで、もっとも風味が良くて扱いにくいもの。
次は脱脂粉乳とバター、そして水を乳化させたもの。
最後は脱脂粉乳に植物性脂肪、つまりショートニングのようなものを加えて乳化させたものだ。
本当に”生クリーム”と呼べるのは最初のものだけで、これはさらに添加物を加えたタイプと無添加のものがある。
二番目は”動物性ホイップクリーム”と呼ばれているもので、添加物が多いために風味は”生クリーム”に劣るが、扱いやすく日持ちもする。
三番めは”植物性ホイップクリーム”と呼ばれ、風味はさらに劣るが日持ちは良く値段も安い。
ただ、勘違いされているようだがカロリーは動物性脂肪のものとほとんど同じだし、工業的に飽和させた脂肪酸であるために植物性脂肪の利点は受け継いではいない。
植物性ホイップクリームは論外(笑)としても、日持ちがして扱いやすい動物性ホイップクリームには惹かれるものが無いわけではない。
材料がいつも冷蔵庫にある安心感は何ものにも変えがたいものであるし、分離しにくくデコレーションしやすいのはさらに捨てがたい気持ちをつのらせる。
そうして私はいつも乳製品のコーナーで悩むのだ。
『ぎりぎり折り合いのつけられる添加物を加えた生クリームはどこにある?』
『いや、今回はホイップしないから無添加を使うべきか。』
『賞味期限がこれじゃ使えなくなるとまずいし・・・。』
これぞ究極の選択と言わずしてなんと言おうか。
いや、単に私の腕がまだまだなだけなのかも知れないのだが・・・。 |