| 以前話題にした蕎麦のはちみつもかなり少なくなってきた
これだけ美味しいはちみつをお菓子に使うのはもったいない。
でもそのまま舐めるのは抵抗がある。
そこで最近は食パンに塗って食べている。
もう数十年も昔の話になってしまったが、私は学校給食に出るはちみつが大好きだった。
給食の予定表に”はちみつ”と書かれた日が来るのを楽しみにしていたものだ。
小さなパックに入ったはちみつを食パンに塗り、パンのその部分だけが何故か固くなるのを不思議に思いながらも喜んで食べていた記憶がある。
それだけ好きなのだから当然自宅でも食べる。
さすがに食べ過ぎて飽きてきたので、はちみつより好きなメープルシロップでも試してみる。
ところがメープルシロップではパンはそれほど固くならない。
実に不思議なことだ。
最近になってようやく気付いたことなのだが、この食パンの固くなった部分は『乾いて』いる。
糖や食塩を溶かした水をただの水に加えると自然に全体が混ざり合う。
これを化学では”拡散”と呼び、この拡散のしやすさを”浸透圧”と呼んで、これはそれぞれの物質によって異なっている。
砂糖を例に取ると、グラニュー糖の成分であるショ糖に比べると、はちみつに含まれているブドウ糖や果糖の浸透圧は高い。
そのため、食パンにはちみつを塗ることで食パンの水分がはちみつに吸い取られることになり、結果的に食パンは乾いて固くなるわけだ。
同様のことが生体でも起き、はちみつに直接触れた細胞、要は細菌の水分も吸い取られて乾燥し死滅してしまう。
つまり、掲示板にも話題の出た”水分活性”が極めて低いと言うことになる。
メープルシロップの成分は主にショ糖であるために浸透圧は低く、また水分の含有率がやや高いためにパンは”乾く”状態には達しなかったのだろう。
こうして考えてみるとはちみつをそのままの状態で食べるのはあまり体には良くないのかもしれない。
胃壁や腸壁は浸透膜なので、体液より濃度の低いものならば素直に吸収するのだが、生のはちみつのように濃度が高いと逆に吸収を阻害してしまうことになりかねない。
疲れた時にはちみつは効果的と言われるが、そのまま舐めたのでは即効性という点で疑問が残るようだ。
そして最大の問題はポツリヌス菌の存在。
ポツリヌス菌の”芽胞”と呼ばれる胞子状のものは極めて高い抵抗力を持っている。
その抵抗力は100℃で30分加熱しても生きていると言われるほどで、いくらはちみつの殺菌力が強くてもこれだけは殺すことができない。
長期保存したはちみつの中でポツリヌス菌も長期保存されていたのでは洒落にもならない。
しかし、このポツリヌス菌の芽胞も塩素にはからきし弱いと言う。
塩素と言えば水道水の殺菌にも使われている。
つまりは『水道水割りはちみつ』。
これこそがもっとも安全で効果的なはちみつの摂取法と言うことになる。
そこではちみつを舐めようとしているあなた、
もう一手間かけて水道水で割りましょう。
くれぐれも天然水など使わぬように。 |